令和2年度「体罰や虐待のない学校作り」に関する研修について(まとめ)
<今年度に実施した研修内容>
・新「一人一人を大切にする学校作り宣言」の確認 (R2.4.23)
・「体罰虐待防止チェックリスト」を全教職員に実施 (R2.7.9~7.22)
・全校研修の実施 (R2.9.10)
講師は、(株)はまリハ顧問の川口信雄氏に「将来の自立のために、今大切なこと」というテーマでお話していただいた。
・ブロック研修の実施(R2.12月~R3.1月)
小グループにて事例検討を実施し、体罰や虐待のない学校作りのために、日頃からどのようなことを意識しなければならないか意見交換を行った。
ケースA ある先生が子どもを力ずくで引っ張り、廊下に連れて行き、大声で指導している様子を見た。状況から、その先生が叱責したい気持ちも分かるが、客観的に見て、指導の仕方は正しいのだろうか。
ケースB 作業態度がよくない生徒に対して、ある先生が「だから実習の時もできてないんだよ」、「あなたの性格が出ているよ」などと言っていたことについて、客観的に聞いてどのように感じるか。
<全校研修について>
キャリア教育の視点や地域とのつながりをどのように教育活動と結び付けていけばよいか、横浜市立わかば学園の実践を例に挙げてご紹介いただいた。児童生徒だけでなく、保護者や教職員のライフキャリアも考えていくことやライフスキルの大切さについて、改めて気づかされ、学びの多い研修であった。
ライフスキルについては、卒業生が働き続けるために必要なスキルだが、その課題が表面化するのは現場実習が始まる高等部以降が多く、幼児期や小中学部の段階からスモールステップで積み重ねていかなくてはいけないことも多くあり、講師からは「10のライフスキル」を教育活動と結び付けて欲しいというメッセージをいただいた。
<ブロック研修について>
各ブロックで小グループに分かれ、AかBの事例を選び、話し合いを進めた。話し合いのポイントとして、解決策や結論を出すというよりも、なぜそのような状況が起きてしまったのか、どうすれば防ぐことができたのかを重視し、全員で意見を出し合って話し合うことを大切にした。
ケースAについて話し合ったグループが多かった。その中で、「力ずくで児童生徒を引っ張ること」や「廊下へ連れ出すこと」、「大声で指導すること」について、たくさんの意見が挙げられた。また、教員が感情的になっていないか、他の先生と連携が上手く取れていたのか等、教員の指導体制に関する意見も挙げられた。
ケースBについて話し合ったグループでは、児童生徒に対する実態把握がきちんとできていたのか、児童生徒への言葉かけが適切なのか等、教員としての資質について意見が挙げられた。
事例について話し合った内容をブロックで共有し、「体罰や虐待のない学校作り」を進めていくために、日頃から大切にしていかなくてはならないことをブロックでまとめた。
各ブロックからは、事例に関して話しにくい部分もあったが、架空の事例を基に小グループで意見交換する機会があったことは良かったという意見もあった。これまで、児童生徒の個別的な支援について話し合う時間はあったが、教員それぞれが何を大切にして指導・支援しているかを話し合ったり、伝え合ったりする機会が少なかった。この研修を通して、教員一人一人が体罰や虐待のない学校作りについて、自らのあるべき姿を考え、見つめ直すことができた。
平成27年度「一人一人を大切にする学校づくり」に向けての取組
① 「一人一人を大切にする学校づくり宣言」の読み合わせと確認。
年度の初めに校長より、職員で検討して作り上げた「一人一人を大切にする学校づくり宣言」が改めて示され職員会議で読み合わせの上、全職員で宣言を行いました。
また、7月と1月にも各学部・学年ごとに読み合わせを行い日々の指導を振り返る取り組みをすすめました。
② チェックシートの活用による学部討論
具体的な指導方法や日々の活動を振り返るチェックシートで各自の指導支援を振り返り、疑問に思ったことや、感じたことを各学部学年で話し合いました。
討論を通じて、一人一人に応じた指導を合意形成のもとに実施していくことの大切さを再確認するとともに、教員も一人で抱え込むことなくチームとして対応していくことの大切さなどが話されました。
③ 全校研修会
10月に講師の先生をお招きして、言語心理学的技法や発達特性を配慮した言葉かけ、伝わる言葉かけについて学びました。研修を通じ、子どもたち・教職員間など相互のコミュニケーションのあり方について改めて見直すきっかけとなり、日々の実践を振り返る機会とすることが出来ました。